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当日は見事なピクニック日和。
風も少なく陽射しが気持ちよく、帽子で遮るのが勿体なくも感じた。
「晴れ女の実力は発揮できたみたい。」
少年のように笑う三嶋の手をすぐに握ったのは、息をするかのように自然な行動だった。
「仲いいねー?あの子達。」
「レズかな?」
そんなコソコソした声が聞こえると、少しだけ三嶋の身体が強ばった。
そうかこれは世間じゃ普通じゃないんだった。
相原は一瞬手を離そうと思ったが、思い止まった。
もう我慢するのを止めると決めたのだ。したいようにする。
「いこ。早く登らなきゃお弁当痛んじゃうよ?」
「、、、うん、そうだね。」
三嶋の手はいつでも振り払える程度の力だったが、絶対離さない思いを伝えて引っ張るように歩けば、
「早いなぁ、バテるよ?」
「若いから大丈夫。」
いつも年下扱いする仕返しとばかりにふふんと自慢げに返せば、三嶋はまた幼い笑顔を見せて笑った。
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