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「どうしたの?」
「寝室はどこ?」
「そこの左の扉だよ。」
「見せて。」
無防備に寝室の部屋をあけた三嶋をベッドに押し倒し、お腹の上に座り込んだ。
そう言えば、初めて部屋に連れられた時に自分も同じように無理矢理押し倒されてセックスされたな、と思い出し乾いた笑いが出た。
「相原さん、どうしたの?」
「恋人が寝室でこうしたら、する事は1つじゃないの?」
「、、、、、。」
「ガッカリした?皆清楚で大人しくて、自分の思い通りになる私が好きだもんね。」
こんなに心がギスギスするのは、三嶋が本心を見せないから。
いや、過去の恋人ばかり追い、自分を見ない事に苛立ちが先走った。
「責任とって恋人になるって言ったのに、全然私の事見ないくせに。せめて身体だけでも抱いてみせたら?」
惨め。
自分の頭でその言葉が反芻した。こんな事をしても見て貰えるはずがないのに。
そもそも今日はキスする事が目的だったのに。
そんな相原の気持ちを見透かしてか、三嶋は頬にそっと手を添えた。
その手があまりに温かくて、鼻がつんと痛くなる。
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