61人が本棚に入れています
本棚に追加
三嶋はくいっと相原の顎を持ち上げ、
「私は、手も足もあげられるのは大嫌い。男でも、女でも。」
温度のない目で見下げられる事がこんなに恐怖だと思いもしらなかった。
いや、今までの自分ならこんな状況を作るはすがなかった。
いつも通りの皆が求める自分なら、、。
「抱かないのは、相原さんともっと恋愛したかったから。まだ自暴自棄のままの相原さんに、臆病な私。セックスしても虚しさしかないと思ってた。」
絶対に叩かれると思って力んでいた身体からみるみる力が抜けていった。
この状況からも、三嶋は話し合いをしだしたのだ。
声は相変わらず、低く冷たいままだったが。
「2度目はないから。約束出来ないなら、このまま帰って。連絡もしないで。」
「でも、、!責任とってくれるって!」
このごに及んで抵抗したのは、きっと最後まで残った自分の我が儘だったのだろう。
吐き出したそれに、三嶋は膝をつき、真正面に顔を合わせた。
「セックスで繋がるだけでいいなら、他を紹介する。私には無理だから。」
完全に突き放された言葉に、たまっていた涙が溢れた。
ここで泣くなんて迷惑な女なんだ、
冷静なもう一人の自分がため息をついていた。
最初のコメントを投稿しよう!