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彼女によれば、元恋人、蝶野美砂という人のことは、人による話も含め、
5つ年上
穏やかで美人
お酒もたばこもしない
誰とも付き合った事はなく恋愛に疎かった
兄がいる
同棲をしていた
実家に帰省時、飲酒運転の車にひかれて亡くなった
という事だった。
「物はないの?」
「うん。見るたびに私が泣いてどんどん衰弱してたらしくて。お兄さんが全て回収して、今は保管してくれてる。」
だからこんなにも物がなかったのかと、納得した。
まるで何もなかったような。人の気配のしない部屋。
「じゃあ、、まずそれを受け取ろうか。」
「悠、、、辛くなって、、嫌になったりしない、、、?」
「二人で乗り越えよ、、、。辛いのは、恵さんも一緒。」
いや、むしろ辛すぎるだろう。
不安の波に押し潰されそうになりながら、離れまいとお互いに抱き締めあった。
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