2月5日

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彼女によれば、元恋人、蝶野美砂という人のことは、人による話も含め、 5つ年上 穏やかで美人 お酒もたばこもしない  誰とも付き合った事はなく恋愛に疎かった 兄がいる 同棲をしていた 実家に帰省時、飲酒運転の車にひかれて亡くなった という事だった。 「物はないの?」 「うん。見るたびに私が泣いてどんどん衰弱してたらしくて。お兄さんが全て回収して、今は保管してくれてる。」 だからこんなにも物がなかったのかと、納得した。 まるで何もなかったような。人の気配のしない部屋。 「じゃあ、、まずそれを受け取ろうか。」 「悠、、、辛くなって、、嫌になったりしない、、、?」 「二人で乗り越えよ、、、。辛いのは、恵さんも一緒。」 いや、むしろ辛すぎるだろう。 不安の波に押し潰されそうになりながら、離れまいとお互いに抱き締めあった。
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