女神の正体

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覗きこめば、それは小さな首輪だった。 「ペット?」 「、、、、、ソラ、、、。」 「二人で飼ってた、、猫だ。元々心臓が悪くて4年しか生きられなかった。」 思い出してきた?そう思ったが、それ以上恵が何かを思い出す事はなかった。 ペアの指輪もネックレスも、写真の場所も。何を記念にして買ったのか、行ったのか。 「綺麗な人、、、。」 「うん、、美砂も悠も、、凄く綺麗。付き合ってるのが私でいいか、、ちょっと気後れしちゃうな、、。」 「私は恵さんがいいの。そんな事いわないで。」 「ごめん。」 肩に頭をおき、甘える彼女の髪を撫でていれば、携帯が充電できた。 動画があり、音声が流れる。 どこかの公園なのか、ブランコにのる恋人を撮影している。 「めぐもおいでよ。懐かしいよー。」 「三十路になった彼女がブランコに乗る姿をおさめてからねー。」 「いつまでも可愛い恋人で泣くほど嬉しいでしょ?」 「感激です。」 あははは、と仲がいいのがうかがえる動画だった。 「声、、、聞いたことある、、、。」 次々と動画をながし内容よりも声に集中して何かを探している恵。 もっと見るのは辛いかと思ったが、そこまで傷付かない自分に驚いた。 画面の中の二人は、とても自然体で楽しそうだった。 「歯痒いね、、、こんなに楽しそうなのに、、、他人みたいだ。」 「喧嘩とか、、したことあるのかな。」 「どうだろう、、、。」 恵の性格からして、激しい喧嘩はなさそうにも感じた。 話し合いに重点をおき、イライラなどは極力でないようにコントロールしている節があるから。 「あの人達に、、話を聞いてみよう。」 「あの人達?」 「美砂の仕事の上司であり、理解者。私の事も凄く気にかけてくれてる人達。悠を紹介しても、いいかな?」 「うん、会ってみたいな。」
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