妹の宿題を手伝う心優しいアニーな俺

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我が家はごくありふれた核家族だ。 共働きの両親が母親の実家の近くに驚異の35年ローンで建てた、若干こだわりのある注文住宅に住んでいる。 長男の俺はこの春、大学生になったばかり。 長女の妹は中学二年生だ。 少し年が離れているからか、身内の贔屓目なのか、妹は可愛い。 母親譲りの少々贅沢な肉が頬を盛り上げて、笑うとその頬肉がさらに盛り上がり糸目になるところがたまらなく可愛い。 妹が中学生になったからなのか、子育てはひと段落ついた感を醸し出して 「トトとカカはディナーからのお泊まりに行ってくるから、あとよろ〜☆」 と、大鍋にカレーを作り(誰がこんなに食べるよ?)嬉しそうな笑顔で母親の腰に手をまわして問答無用で出て行く二人の後ろ姿を見送るのはけっこう微妙だ。 あとさ……母親が死んだ魚のような目で父親を見て諦めたようにため息を吐いていたの、父親は見たのか? まっ、いっか。 土曜の夜だし、父親のいうところのサタデーナイトフィーバーなんだろう。
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