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太腿の辺りに、なにやら固いモノが当たっている。
「あ、やばい」
私の胸に顔をうずめていた蒼太くんが顔を上げた。
「ちょっとからかうだけのつもりだったのに……こんなになっちゃった」
てへ、みたいな感じで軽く舌を出すと、私の手を取って自分の股間へと導いた。
「わ!」
蒼太くん……もう準備万端じゃないですか!?
しかも結構大っきい……。
小さくて白くて女の子みたいだった蒼太くんが、いつのまにこんな凶器を身体の真ん中に隠し持つようになったのか。時の流れって残酷。
「ほんとはさ、昨日はオレ泊りがけで友達とスキーに行く予定だったんだ」
「え?」
なになに? なんの話?
「朱莉さんを連れて帰ってきた兄さん……すっごい残念そうな顔してたなぁ。オレがいないと思ってたんだろうね」
そう言うと、蒼太くんはクックッと身体を震わせて笑い出した。
「だから、これ以上はしないよ。兄さんに怒られちゃう」
「え……」
どういう意味?
その発言の真意が知りたくて、思わず縋りつくような目を向けてしまうと。
「あれ? もしかして残念がってる?」
「は?」
「だったら期待に応えて、もうちょっとだけしちゃおっかなー。あ、でもそうすると、止まれなくなるかな」
顎に手を添えて何やらぶつくさと逡巡する彼。おーい、蒼太くん。自分に都合よく解釈しないでー。
「いやいやいや。止められるうちに止めといて」
私は身を起こすと、捲れ上がっていたカットソーを下ろして、ささやかな胸を隠した。
「でもオレ朱莉さんのおっぱい好きだなー。柔らかくて敏感で。ずっと触っていたい」
ニコッと目尻を下げて笑う蒼太くん。
まったくイケメンは得だよね。どんなしょーもないこと言っても、なんか爽やかだもん。
でもその発言、会社の飲み会とかで言ったらアウトだから! 一発退場。社会人になるまでに教えておいてあげないと。
「ちょっ……、こらこら」
蒼太くんが私を持ち上げたかと思うと、自分の脚の間に後ろ向きに座らせた。
「はぁ~、気持ちいい」
服の上からむにゅむにゅと再び私の胸を弄りはじめた彼が恍惚の声を上げる。
おいおい。私のお尻の辺りにあたる固いものが、より硬度を増した気がするんだけど。
「やっ……ちょっと!」
耳に舌を這わすなー!
わー、なんか背中がぞわぞわしてきた。
もうダメだ、これ以上は……蒼太くんの凶器もさることながら、私の欲求不満も暴走してしまう。
「そうだ、蒼太くん! さっき言ってたこと、どういう意味なの?」
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