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俺はそれを手に取り、一枚一枚、その時の事を思い出しながら見ていた。
仲間の半目の写真や、あり得ないポーズに笑いながら。
だが、最後の一枚で手が止まってしまった。
「お、おい‥‥‥」
俺は写真から佐久真に視線を移した。
「ん? どうした」
「これ‥‥‥ほらここ、見てくれよ」
俺は五人で写った写真の、自分の右足部分を指さした。
佐久真は無言でそこを凝視した。
「誰も、気付かなかったのか?」
俺のその問いに、佐久真は首を振った。現像してすぐに俺のところに来てくれたらしい。つまり、佐久真本人もまだ写真は見ていないという事だ。
「お前、これ」
佐久真は顔を上げて俺の顔をまじまじと見た。
そう、写真の中の俺の右足が、そこには何もないかのように消えていたのだ。
「これって、心霊写真じゃ」
佐久真は更に続けた。俺も小さく頷く。
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