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怪物はむくむくと収縮する様に動いている。
そして、じきに縮み出した。
そして、全身の毛は消えてうつ伏せの裸の1人の人間になった。女性の様だった。
皆やっと動ける様になった体を引き摺る様に、それに近寄る。
長がその体を抱き上げてひっくり返すと
「先生っ!?」
由美子が叫ぶ。
「先生?」
「行方不明になってた、私達の担任の中川先生です」
それは、傷だらけの中川初江の遺体であった。
長は着ていた羽織りを脱ぐと、全裸の遺体に掛けた。
「なるほどのこの教師の体を依代にして、霊体が実態化しておったのか」
「私達先生をーー!?」
「いや、戦っている時は完全に化物の気配しか無かった。どの道、救えはせんかった」
「だから、同じ左足が無かったんですね」
「何で左足が無かったんですか?」
「最初に取り憑かれた時にやられたんだろう?」
「でもどうせなら、完全な体の方がーー」
「再生すると思っていたがしなかったのか。そもそもそんな事すら、考えて無かったのか。まあ今更だ」
長は言った。
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