家族のカタチ

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 いつも明るい聖悠の言葉が、今は切なく宗介の胸に響いた。こんな想いを隠していた事に気付けなくて、苦しくなった。  聖悠は宗介の表情を見て、苦笑した。 「悪い。こんなしんみりした事、喋るつもりなかったんだけどな。お前には……知って欲しいと思ったんだよ」 「っ……」  この言葉が嬉しかった。聖悠の事を知りたいと、ずっと考えていたから。  宗介は、恐る恐る聖悠の手を自分から握った。いざ自分から触るとなると、すごく緊張した。手の震えが彼にも伝わって、おかしく思われないか心配になった。 「僕はっ……貴方の事を、もっと知りたいです。出来る事なら……僕が貴方の家族になりたいですっ」  自分の素直な気持ちを表に出すのが、こんなにも恥ずかしい事だとは知らなかった。  聖悠は静かで、握った手はぴくりとも動かない。  自分の想いが届かなかった。そう悟った宗介が顔を上げると、頬と額に温かな感触があった。  頬に聖悠の手が添えられ、額には彼の唇の感触があった。宗介は驚いて、持っていた紙コップを地面に落とした。 「悪い、思わず動いた……」  聖悠の手と唇は、名残惜しそうに離れていった。 「これが答えなんだけど……嫌だったか……?」 「い……いえ……」  触れた感触がじわじわと宗介の肌に染み入り、顔を熱くしていった。
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