其の弐 晩ご飯の献立

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見た目と中身のギャップが激しい私の旦那様。 最初はそのギャップに慣れなくて随分戸惑ったけれど…… 「……」 「ん? どうした」 「いえ、なんでもないです。それよりも弥ノ助さん、今晩は何が食べたいですか?」 「晩飯か……俺はなんだっていいから里咲ちゃんの食べたいものにしたらいい」 「私の食べたいものですか? んー……」 「若い子はやっぱり肉じゃないか?」 「お肉ですか? 別に私、そこまで肉食じゃないんですけど」 「俺に遠慮することはないよ。俺だってたまには肉が食べたいと思う時もあるしな」 「……」 何気ない会話の中で弥ノ助さんが本当は70歳のおじいちゃんなのだと気が付かされハッとすることがある。 その見た目からつい同世代の感覚で話や行動をしてしまう私は気が付く度に弥ノ助さんの身に起こった出来事を一緒になって思い出してしまう。 (だけど中々慣れないものだな) 全てを受け入れて結婚したはずなのに時々弥ノ助さんとの距離感が掴めない時がある。
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