其ノ陸 遠方にて

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其ノ陸 遠方にて

その日の私は朝からほんの少しだけ高揚していた。 目覚めた時に一番最初に目に入ったのは知らない天井で、ぼんやりと(あぁ、此処は家じゃないんだ)と思った。 いつもとは違う朝。 家ではない場所での目覚め。 そして──…… 「……弥ノ助さん」 此処にはいない愛おしい人の名前を呟いた。
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