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「ミサキちゃん、私、これから国へ帰るの。…でも、また絶対に会いに来るからね!」
ヒンニィが半分泣き出しそうな勢いでミサキに頬擦りをすると、ミサキもそれに応える様にヒンニィに甘えるように体を擦り付ける。
そのミサキの行動に、ヒンニィの翡翠色の大きな瞳から思わず涙の粒がこぼれ落ちそうになる。
「…ミサキちゃん、元気でね。」
ヒンニィが涙を堪えてそう小さく呟くと、ミサキは体をくねらせてヒンニィの手の上に顔を乗せ、加えていた何かをポトリとヒンニィの掌の上に置いた。
「どうしたの?何かしら?」
ミサキから渡された物を確認した瞬間、ヒンニィは驚きの表情を浮かべながらミサキの顔を覗き込んだ。
「ミサキちゃん、いつの間にこれを?!」
驚き続けるヒンニィをよそに、ミサキはキューッと小さく鳴き声をあげるとヒンニィの腕の中からすり抜けて、そのまま海へと戻って行ってしまった。
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