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言い終えたヒンニィは顔を赤く染め上げながら、恥ずかしそうに俯いてしまう。
ヒンニィの言葉を受けて、カイは何かに気が付いた様にハッと顔を上げた。
おそらく、あの時。
カイがトウゴとマアヤから成人の儀にヒルフィとヒンニィを招待したいと打診されたあの日の夜。
すぐに部屋に戻らずにカワウソの社に赴き、こっそりミサキに本音を打ち明けたあの時。
それを思い出し、カイはほんの少し頬を赤らめて苦笑いを浮かべた。
「…もしかして、言ったの?」
無言のままのカイにヒンニィが声をかけると、カイは我に返ってもう一度目の前のヒンニィの顔をじっと見つめてみる。
大きな翡翠色の瞳はそのままに、やはり自分の記憶の中よりも大人の女性へと成長しているヒンニィに、カイの胸は急速に高鳴りを覚えてしまう。
そしてふつふつと邪な欲望が湧き上がり、それに抗えずに掴んでいない方の手でスッとヒンニィの赤みを帯びた頬に触れた。
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