カイの安堵

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「言ったよって言ったら…。キスしてくれるの?」 先程まであれ程、ヒンニィを傷付けてしまった罪悪感に囚われていたはずのカイだったが、キスをしてきた女の子が人間ではないと解り、ヒンニィが自分を許してくれた事にどこか安心してしまい、思わずヒンニィを求める行動に出てしまう。 突然カイに頬に触れられ、ヒンニィの翡翠色の瞳には戸惑いの色が映る。 「それは…。」 ヒンニィが恥ずかしさでどんどんと全身の体温を上げていくのにお構いなしに、カイはヒンニィとの距離を少しずつ縮めていく。 「手紙には来なくていいなんて書いたけど。本当は、ずっと会いたかった…。」 カイが少し緊張感のある掠れた声でヒンニィへと囁きかける。 もう少し、吐息が感じられる距離まで2人が近付くと、ヒンニィは口付けの予感がしてギュッと目を瞑った。
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