カイの安堵

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「お米を炊いたのをまるめたの?」 マリアゴルドやマリアテレザにはお米をそのまま炊く料理はなく、初めて見るおにぎりにヒンニィは興味津々といった様子で色んな角度から眺めてみる。 それを見ていたカイは、何か思いついた様にヒンニィに笑いかける。 「そう、ヤタネスクの持ち運び出来る食事なんだけどね。せっかくだからちょっと歩くけど別の場所で食べよう?その方がより美味しく感じるはずだから。」 そう告げると、カイはヒンニィの手を引っ張って歩き始めた。 ヒンニィはそれを拒む事なく、カイの隣を歩いて行く。 カイは来た道を戻り、お城のある方向へと向かって行く。 お城が近付き、カワウソの社のある森が見えると、その脇の小さい小径へと入っていく。 木々が鬱蒼と茂り、月明かりも心細く薄暗い道となる。
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