カイの安堵

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「ねぇ、どこに行くの?大丈夫?」 薄暗く、木々の茂る道となり、今まで無言で歩いて来たヒンニィが不安そうにカイへと声をかける。 カイはヒンニィに心配をかけない様に微笑みながら振り返る。 「大丈夫、もうちょっとで着くから。あの崖を登ればすぐだよ。」 そう言うとカイはすぐ目の前にある2〜3メートル程ある崖を指差して、先に自分が軽やかに駆け上がる。 登り切ると、まだ下にいるヒンニィに手を差し伸べて登る様に促す。 ヒンニィは差し出されたカイの手をギュッと握ると、一気に崖を駆け上がる。 そして崖を上り切って少しだけ進んだ先から見えた景色に、思わず息を飲んで見入ってしまう。 「すごい…。綺麗…。」 ヒンニィの視線のその先には、月明かりに乱反射する波の合間から、ヤタネスクの本島に連なる小さな島々が浮かび上がり、幻想的な風景を浮かび上がらせていた。
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