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空の澄んだ青さと海の深い青さ。
雲ひとつなく、更には無風で地平線を境界線に二つの青さしか目に入らないこの広い海の上。
その青さの間をぬいながら、船は目的地の島へと向かっている。
船が進む両脇では波しぶきが上がり、太陽の光に乱反射をしてキラキラと輝いている。
「天気も良いですし、予定通り到着出来ると思います!」
船の先頭から威勢の良い声が聞こえたのと同時に、健康的に日焼けをした笑顔がこちらへと振り返る。
その笑顔を受けて、船上の椅子に腰掛けていたマリアテレザ国王子カイが笑顔で返事をする。
「了解。じゃあ到着するまでちょっと下で休んでるナツメの様子でも見てこようか。」
カイはそう言うと座っていた椅子から立ち上がってうーんと背伸びをした。
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