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目が覚めた時はどこかの屋上だった。
不運なことにへりこぷたーの着陸の衝撃で
意識が戻った。戸惑いからは覚めないまま
コクトー様に腕を引かれてへりこぷたーを
降りた。頭痛がひどい、二度と乗らない。
心の牙を剥き出しにしてへりこぷたーという
謎の乗り物を睨み付けた。
初めて見たときは形がかっこいいと憧れ、
はしゃいだものだがそんな気持ちは空へと
飛んでいった。
へるめっととさんぐらすを被った操縦士は
テキパキと四角いカバンを降ろしていく。
へりこぷたーに干渉しない位置にピシッと
二つ並べ終えると青年の腕を掴んだままの
主へ頭を丁寧に下げた。
それから皮肉のように微笑んでみせた。
「よい思い出作りを!」
そうして彼らは空に帰って行った。
へりこぷたーの羽がウイウイ動くと衝撃で
その場に尻もちをついてしまう。
ご主人様が掴んでいなければ屋上の外まで
華麗に吹っ飛んでいた。ああ怖すぎる。
「………。」
「さて、と行くか。」
ポカン…と口を開けた青年の腕を引いて
強制的に立ち上がらせた。
次は器用に腰を抱いて崩れる肢体を支えると
思い切り、情熱的なちゅーを唇にかました。
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