入学式

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(うわ、広い…) 足を踏み入れた講堂はまるで学校ではないかのような煌めきを放っていた。 天井には小さなシャンデリア、壁には天使の絵が飾ってある。 椅子もふかふかだ。 さすが私立、と思いながら席に座ると周りの新入生が自分のことをチラチラ見ていることに気づいた。 (あぁ、またか) 皆が私を気にしている理由は分かっていた。 それは私が「かわいい」からだ。 柔らかく腰までウェーブした茶髪、小さくて丸い顔、赤い絵の具をほんの少し垂らしたかのような頬に、透明感のある瞳。 (気分は悪くないけど、ね) 小さい頃から周りにもてはやされて生きてきた私にとって「注目される」ことは苦ではない。なんなら心地いい。 「ブーーーーー」 そんなことを考えていると開会を知らせるブザーが講堂に鳴り響いた。
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