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落書き
俺の趣味の話をしよう。
俺の趣味は色々あって、もし三つに絞るとしたらバイク、カメラ、読書といったところだろうか。他にも色々な趣味を持っているが、その中でもあまり人に言えないのが心霊スポット巡りだ。というのも、もともと廃道やトンネル、史跡や廃墟などが好きで、バイクとカメラを持って色々なところの写真を撮るのが好きだった。しかしそのほとんどがいわゆる心霊スポットと呼ばれるところだったことから、いつしかいろんな心霊スポットに赴くことが多くなった。そんな話をすると大抵の人は苦い顔をするのであまり言わないようにしているが。
そんな俺が廃墟に興味を持ったのは高校生くらいの頃だったろうか。たまたま立ち寄った本屋さんで廃墟の写真集を手に取ったことがきっかけだった。その写真集には廃墟や史跡といったさまざまなところが写されていて、そこにある終末美というか破壊の美というかそれが朽ちていく様をとても美しいと感じたからだ。それ以来、いろんな廃墟や廃道、トンネルなんかの写真集や動画にハマっていったわけなんだけど、それは今回の話とは全く関係がないので割愛。
さてそんな心霊スポットを色々回っていていつも気になるのが落書きの存在だ。基本的に落書きというのは犯罪行為に当たり、器物損壊罪に問われる可能性もある。なのに落書きというのは一向になくならない。ただ正直な話、落書きの中でもこれすげぇな……というものもあったりするので意外と驚きがあったりすることも事実。だからといって落書きをしていいというわけじゃない。ちなみにそんな場所へ行くのにわざわざスプレーを準備して行くことを想像するとちょっと面白いと思ってしまう。怖さを紛らわせるためなのか、はたまた気が大きくなってやってしまうのかは謎だが、こればかりはなくなることはないだろう。
と、色々思うところがあるが、廃墟や史跡を見て思うのは落書きがあるとどうしても景観が損なわれてしまう他に、なにより忘れてはいけないのが、現在は廃墟になってしまった場所であったとしてもかつては人がそこにいて住んでいたり働いていたということだ。その場所には様々な人の想いが残されている。例え誰もいなくなっても、朽ちていくだけの存在になったとしても、そこには人がいた証が残されている。それらを無視して汚すことだけはやめてほしい。
話が逸れてしまったが、今回お話しするのはそんな廃墟にまつわるお話し。同じ廃道や廃墟を巡ることが趣味とする方が体験した不可解な出来事、そしてその結末をお聞きいただきたい。それではどうぞ。
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