ゾッとする小ネタ集2(前編)

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 パレード  これは俺が高校生の頃に体験したことだ。俺は高校生の頃吹奏楽部に所属していて、担当はサックスとマーチングではバッテリー(打楽器のパート、担当はバスドラムだった)だった。  最近では母校の吹奏楽部はほとんど活躍どころか活動すらしていないようだが、俺がいた当時は少し落ち目ではあったが、それなりに大会で成績を残すくらいの活躍はしていた。そんなウチの吹奏楽部だったんだけど、三年に一回フランスのあるイベントで演奏していたんだ。んで、その役回りが来たのは俺が三年生でちょうど卒業間近の二月のこと。なのである意味卒業旅行みたいな形になった。  そのイベントっていうのがフランス南部にある街のニースで行われるニースカーニバルって祭りだったんだけど、そこでパレードに参加して演奏するというのが俺たちの役目だった。ちなみにニースカーニバルはヨーロッパ三大カーニバルの一つらしく、全世界からたくさんの人が参加していた。俺たちが演奏しに訪れた際、横浜からいらっしゃっていたご婦人方と街で偶然出会い、同じ日本人としてたくさん応援してもらった。  そんな大きなイベントで日本の一地方のそれほど大それた成績を残しているわけでもない俺たちが参加していいのか? とかなんとか思っていたけど、フランスに来て今さら引き返すわけにもいかず、そこは若さでなんとか押し切った。結果は……この年でその時の動画を見るとひどいな俺ら! というくらいの感じだった。  さて、このカーニバルは二週間にわたって行われるんだが、その中でも花合戦パレードと呼ばれるものが一番の目玉で、ニースの海岸通りをパレードが練り歩くというものだ。俺らもそこに参加して演奏してきた。  と前振りが長くなったが、ここからが本題。  俺の担当していた楽器はバスドラム(BDと呼ばれていた)でもっとわかりやすい言い方だと大太鼓と言った方がいいか。鼓笛隊をイメージしてもらうとわかりやすいと思うが、デカい太鼓を担いでいる人がいるだろう? それが俺の担当する楽器だった。  BDはその見た目通り大きく重い。編成によってBDの大きさも変わるが、俺の担当していたBDは一番重いもので約20キロほどあった。それを担いで約2時間ノンストップで演奏してたと思うと当時の俺頑張ったなと褒めてやりたい。
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