じつはじつわ

ゾンビ

　アンタはゾンビ映画は好きか？　俺は好きかと聞かれたら好きかもしれないし嫌いかもしれないと答えるだろう。

　というのもこんな話を書いてるくせに案外怖がりな性分で、でも怖い話やホラー映画はついつい見たくなる。そんな俺だがよく見る夢というのがどういうわけかゾンビに追いかけらる内容のものが多い。別に寝る前にゾンビ映画を見たとかじゃないのに、なぜかゾンビに追いかけられる。大体は噛まれる直前で目を覚ますんだけど、その度に悲鳴を上げるもんだから、家族に怒られることもしばしばある。

　そんなわけで今回の話はゾンビに関するお話。皆さんはゾンビに関してどれくらい知っているだろうか。ゾンビというとゲームでもよく出てくるクリーチャーの一つだが、その由来はハイチの民間信仰ブードゥー教にあり、元々は犯罪者の遺体を儀式により蘇らせ、生前の罪を農園などでの労働で償わせるためのものだった。その際に使用されていたのがゾンビパウダーと呼ばれるもので、これはフグ毒に代表されるテトロドトキシンなどを主成分として、作られている。

　このゾンビパウダーを使用すると、服用したものは仮死状態に陥る。そこで使用されたものを死者として扱う。一度墓地などに埋葬したあとで特別な方法で解毒し、意識を無くした状態で労働させることができる。これがゾンビの由来といわれている。

　それが後にアメリカに伝わり、その内容を利用した作品が作られていくことになる。中でもゾンビ映画の父と呼ばれるジョージ・A・ロメロ制作のナイト・オブ・ザ・リビングデッドはそれまでなかった死者が生者の肉を食らうという新しい定義を作り、それが今日のゾンビ像になったことは言うまでもない。

　ちなみにどうしてゾンビが人の肉を食らうか？　という疑問が浮かぶ。有名ホラーゲームバイオハザードではTウィルスというものが原因で、激しい新陳代謝によりたくさんのエネルギーを欲するからという設定がなされている。ただこれはあくまでバイオハザードの中での話で、その他のゾンビ映画などではその理由は明らかにされていない。その中である方がこんな考察をなされていた。

　ゾンビがどうして人を襲うのか？　ということに対して、その方はそれはゾンビによる生殖行為なのだと話していた。というのもゾンビはすでに死者のため、通常の生物のように子孫を残すことが出来ない。しかし生者を襲うことにより、襲われた側はゾンビになってしまう。こうして彼らは仲間を増やしていく。このことからゾンビが人を襲うのはお腹を満たすわけではなく、仲間を増やすために人を襲うと話していた。

　実際の理由は彼らに聞いてみないとわからないが、もしかしたらその通りなのかもしれない。とはいえそのような極限状態になったらどうなるか。さっさと楽になるのか頑張って最後まで足掻くのか。どちらにしてもショッピングセンターに逃げ込むのだけはやめておこう。余計なフラグにしかならないので。