凶感 ~キョウカン~

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とりあえず用を足し、ふと顔を上げると そこにはあるはずのない逆さの顔があった。 朔耶はあられもない恰好で背後によろけ倒れた。 『赤いかみと白いかみどっちがいい』 逆さのまま問いかけてきたその子供のようなモノは、 小さな頃に読んだことのある学校の怪談のようだった。 たしか赤紙・青紙だったような気がするのだが…。 内容を必死で思い出す。 たしか赤い紙と応えると、身体を切られて血まみれにされる。 青い紙と応えると、首を絞められて窒息させられる。 いや、だがこれは白い紙と言っているから、 血を抜かれて白くなって死ぬとかそういった類だろうか。
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