凶感 ~キョウカン~

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無いのだ。 フックにかけておいた鞄が。 あの中にはいろんな資料や、財布・携帯も入っている。 最悪だ。 まさか本当に大切なものが無くなっていたのだ。 命を落とさなかっただけ良かったのかもしれないが、 これでは怪談どころか、ただの盗難だ。 むしろそういうものに見せかけた、新手の詐欺なのかもしれない。 とりあえずここを出ようと手を伸ばした先に、 朔耶は絶望の二文字が見た。 紙が無い。 ご丁寧に、トイレットペーパーの芯すら無い。 そう、紙という紙が一切無くなっていた。 たしかに大切なものを奪っていきやがったのだ。 朔耶は今まで出したことがないくらい張り上げて叫んだ。 「紙をくれー!!!!!」
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