凶感 ~キョウカン~

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朔耶(さくや)は就活の真っ最中だった。 前の会社は薄々ブラックだと言う事は知っていたが、 ずるずると来てしまったため、辞めるタイミングを失いつつあった。 だが上司とケンカし、 これをいいタイミングと、思い切って辞めたまでは良いのだが、 35歳を過ぎて、さして資格もない自分は、 何ができて、何がしたいのかもわからなかった。 慣れないスーツ姿でいろんな会社に面接に行くが、 そもそも自分を持たない朔耶は、 いい返答が貰えるような会社は、ほぼほぼ無かった。 あまり馴染みのない場所に来てしまったことや、 交通費を抑えるため徒歩でまわっていたのが祟ったのか、 不意にお腹が痛くなってきた。
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