ろくろ首になった女

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 その後も恐怖のあまりキャーキャー泣き叫ぶ栄子と許してくれ!と必死に叫ぶ夫の体に首で白蛇の如く巻き付いた祥子は、じわじわと二人の体を締め付けて行って二人のもがき悶え苦しむ断末魔の有り様をじっくり楽しみながら二人の骨を砕き、内臓を破裂させ、二人とも絞め殺してしまった。  それから思い残すことが無くなった祥子は、忍ばせていた包丁を取り出すと、首を刺して自害した。  それを見届けた天狗は、赤ら顔を然も満足げににんまりさせたかと思うと元の死神の姿に変化(へんげ)して祥子の亡骸と借家にある二つの亡骸から魂をちゃっかり掻っ攫って行った。
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