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 その隙に雪女は自分の唇と太吉の唇とをくっつけて然もおいしそうに太吉の精を吸い出して吸い尽くした時には太吉を干からびた骨と皮だけにしてしもうた。  この一部始終を窓の格子から覗いていた翁は、柄にもなく身の毛がよだちぞっとしたもののほくそ笑んだ。  と言うのも、この翁は雪女と結託した死神の化身だったのじゃ。
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