勇者のきらめき

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「キュアワールドダークか。恐ろしい敵が現れたものね」 今回は何とか勝つことができたが、キュアワールドダークの凶悪で強大な力に姫花は驚愕してパッドを検索する。 このパッドにはあらゆる歴史や物語が記録されているのだが、キュアワールドダークのような闇の戦士に関する記載はどこにも見つけられない。 「・・・・」 「どうしたの?」 衣鞠が珍しく難しい顔をしてずっと黙っているので姫花は心配そうに顔を覗く。 「あの力、あの姿・・そして印籠まで。もしかしてあの人もプリキュアなのかな?」 衣鞠はずっと考えていたことを口に出した。自分で言うのもなんだが、プリキュアは伝説の力を受け継いだ正義の戦士だから闇に染まったプリキュアなんて考えたくないのだが、ずっと心に引っ掛かっていたのだ。 「それはないわ。プリキュアがふたりいるってだけでも伝説が塗り替わっているのに、3人目、それも闇に染まったプリキュアなんてありえないわ」 世界を護る伝説の戦士プリキュアはずっとひとりしかいないと語り継がれてきたのだ。ふたりの想いがキセキを起こして伝説が塗り替わってふたりのプリキュアがいるのに、3人目がいるなんて確かにありえない。 「確かにとっても悪くて手強い敵だけどプリキュアは絶対に負けないミコね」 「ありがとうプリキュア」 「最高の鬼退治だったわ」 ミコルンもあや猫、こと猫も嬉しそうに笑顔をふたりに贈る。 この笑顔、この幸せを絶対に守りたいと衣鞠は拳をぎゅっと握る。 「うん、どんな強敵が来たってあたしたちは負けないよ。あの徳川家康様だって幾多の困難にも負けずに天下を取ったんだもん。ちょっとやそっとの強敵が出たぐらいで怯んでちゃプリキュアの名が廃るってもんよ」 と衣鞠は瞳わキラキラと輝かせて姫花に手を差し出す。 「出たわね、歴女オーラ全開のムチャ振り的な前向宣言。なんだかワクワクしてくるからそういうの好きよ。これからも一緒にステキな物語を作っていきましょうね」 姫花も微笑んで衣鞠の手を握り返す。 衣鞠といるとワクワクが止まらなくて元気になれる。衣鞠と出会えて、プリキュアに選ばれたのが衣鞠で本当によかったと思う。 ふたりの勇者の笑顔と勇姿に妖精たちは希望の光を見て笑顔を浮かべた。
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