味覚不通

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3月1日 27日、28日、29日はだるくて書けなかった。何を食べたとかはあまり覚えていないので割愛。 たぶん27日、病院に連れていかれた。耳鼻喉科だっけか? よく覚えてないが、そんな感じの。 俺はパワハラのストレスだとずっと言い続けているのに、母上は「亜鉛不足かも」と頑なに聞かなかった。 亜鉛多めの胃薬をもらって帰った。粉薬が嫌いだから、帰りにドラッグストアでカプセルを買った。 薬を飲むのは朝と寝る前。 さっそく寝る前に飲んだが、呑気症が酷くなってなかなか寝付けなかった。 28日はひたすら陰鬱だった。 何日からかは忘れたが、母上は夕餉を作る前だか合間に抱擁をしてくるようになった。別段、俺が弱った素振りを見せた訳では無い。 指定席の座椅子に座って、スマホをいじりながら夕餉が出来るのを待っていただけだ。 座椅子に座ってる横に来て抱き寄せてくるから、腰が痛くなる。 「大丈夫、絶対治るから」「桃矢はお母さんの宝物なんだよ」だのなんだのと世迷言を言い続ける。 正直俺は、この手の言葉が大嫌いだ。一時は俺を自害に追い込んだ毒親が、何を言うんだ(笑) それでも黙って、腰の痛みに耐えながら目を閉じていた。 これも何日かは覚えていないが、母上は「派遣さん、歯磨きした後に飴を舐めたら石を舐めてるみたいって言ってたよ。本人は歯磨き粉のせいだって言ってたけど」と話していた。 俺からすれば「だからなに?」とイラつく話でしか無かった。結局それは味覚障害ではないのだし、俺の辛さは俺にしか分からないのだから、その手の話は無意味どころかマイナスでしかない。 29日、土曜日なのに珍しく休みだった。母上が前に動物病院でもらってきたわんわんランドの半額券で、猫を見に行く。 この日の朝餉は、ほのかに風味がした。 正直な話、風味だけするというのは、気持ち悪い。 昼餉はコンビニのカレー。本当は好奇心で激辛カップ麺でも食べたかったが、車内で食べるからカレーにした。 驚いたことに、そのカレーはとても辛かった。つまりは、味覚が戻った。 安堵したと同時に、残念と思った。 何故ならこの日記を製本して、文学フリマで売ろうと思っていたからだ。ほんの数ページでは、製本できることにはできるが、イマイチだ。 自分自身はコンテンツであり、実験台でもある。我ながらこの考え方は気持ち悪いと思うが、そう簡単に変えられるものではない。 さて、話を戻そう。カレーで味覚が戻った俺は、母上に「辛い」といったら、「そうなんだ」と一言。涙もろい母上なら、泣きながらウザイくらいによかったと言うと思ったんだが、それはなかった。 その後違うコンビニへ行き、アイスとパン、ジャスミン茶を買ってもらう。俺自身はチーズ味の唐揚げを購入。本当はチーズを買いたかったが、勇気がなかった。 味覚がない時にチーズを食べると、粘土を食べた気になるからだ。 数年前に流行った東京喰種というアニメをご存知だろうか? 原作は漫画で、実写映画化までした作品だ。東京喰種を知ってる人は、半喰種になって、あんていくでサンドイッチを食べるシーンを思い出して欲しい。 あのようにおえぇ!っとなるほどではないが、あの時の彼が言ったようにチーズは粘土だったし、野菜は青臭い。 話が脱線した。母上は唐揚げを食べる俺を、怖々とした目で見ていた。 「美味しいよ」 「味するの!?」 「うん」 「よかったあ!」 その後母上は俺にベタベタ触りながら、涙目でうすら寒いことを言い続けていた。
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