味覚不通

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3月1日 こちらはちゃんと今日のことを書く。 朝餉はハヤシライス。半分近くまで、味が薄いと思いながら食べていた。ふと、不審に思って味わうことを意識しながら食べると、再び味覚がなくなったことに気づく。 母上に報告したら、ようやく「ストレスか……?」と言う。俺は再三ストレスだと言っていたろう、阿呆めが。 その後休めだの次の仕事見つけるのに動けだの、俺のストレスを一気に増やした。 俺だって仕事を探している最中だ。とっくに動いている。それなのに動けだのなんだの言われるのは心外だ。 「そういうのが俺のストレスを増加させ、余計に味覚が無くなるんだ」 そう、言ってやりたかった。 言葉を飲み込んで、「探してるけど見つかんないんだよ」と、少し強い口調で言った。 さすが昔俺を自害に追い込んだだけはある。俺をイラつかせるのは天才的だ。 職場ではパワハラババアもいるから、重苦しかった。頭の中の水が減って、脳が重くなっている気がした。胸の中に漬物石があって、更に見えない壁にプレスされている感じだ。 昼餉の弁当は、塩むすびにほうれん草の炒め物、チーズハンバーグ。いずれも味はしない。 夕餉は湯豆腐にハヤシライス、じゃがいもとキャベツの温野菜。 不思議なことになった。ハヤシライスは味無し。だが湯豆腐は味がした。プチッと鍋で味付けして、ネギと豆腐を入れたシンプルなもの。汁と豆腐の味はしたが、ネギは無味(笑) 温野菜は味がするかどうか不明だが、ドレッシングは味がした。ちなみにイカリのすりおろし洋風オニオン。 食後のデザートに、紗々のイチゴ味とアポロのヨーグルトを食べた。紗々は味がした。アポロヨーグルトはいちごの部分は美味しかったが、チョコの味はしなかった。不思議だ。
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