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そんなことをぼんやり考えていた矢先、突如バサバサッと何枚ものイラストが目線を下ろしている自分の前にまき散らされた。 母親が正面玄関を出た時に開かれた自動ドアによる風圧で飛んできたもののようだ。 「あっ。」 あまり間を空けずに同じ長椅子に掛けていた少女が声をあげる。やや驚いた表情で二人は互いに目を見合わせた。 少女の長い髪も風にたなびき、顔が半分程髪で覆い隠される。 唐突な出来事に少年も思わず自分が手にしていた手帳を床に落とした。 少女はさほど歳は変わらないのだろうが、都内では見かけないような学校の制服を着ていた。
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