6 人生上手くいくばかりでない

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目的地までは、電車で三十分くらいか。 その間、朔太郎はどう過ごすかまでは考えている。 携帯で画像検索を掛け、先ずは一つのソファを彼女に見せた。 「こんなのはどうかな」 「素敵な色ですね。何色って言うんだろう。黄緑?」 「うぅん、何だろうな。萌葱色かなぁ。萌える、に葱って書く……」 「へぇ。でもいいですね。葱もきっと販売しますし。綺麗な色。物知りなんですね」 「あぁ、いや。僕、美大に行ってたので」 褒められた照れ隠しにそう答えた。 ただ、そんなことは海は知っていること。 答え方を間違えたか、と思ったが、彼女は何も言わず、ぽかんとしたままこちらを見ていた。
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