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序 最後に見た彼は
春の穏やかな陽に照らされ、彼はとても綺麗に笑っていた。
卒業式。
きっとこれで、もう二度と会う事はない。
そう思えば、少し胸の奥がチクチクと痛んだ。
「……バイバイ」
「うん。元気でね。バイバイ」
別れを惜しむような言い方の海。
それとは対照的に、微笑み手を振った彼。
友人と去って行く彼は、泣いていない。笑っている。
私だけ、このままここに置いていかれる、そんな気がした。
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