1/6
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ

 働く目的がない。親が食わしてくれる。だから俺はニート。  季節は夏、街路樹として植えてあるヤマボウシの白い花が朝日を浴びて輝く街中で俺はルーティンワークとなっている散歩をしていると、向こうからスマホを掲げながら男が歩いて来た。  どうやら動画を撮っているようだ。  俺の方にカメラレンズを向けて近づいて来る。  俺はコンプレックスの塊みたいなものだから自分の不幸や弱味を撮られている気がして腹立たしくなった。  被害妄想?確かに相手は俺の事を知らないのだから被害妄想に違いない。  しかし、人のことを勝手に撮るのは絶対良くない。  況してユーチューバーだとすれば、俺が映っている動画がユーチューブにアップされてしまうから猶更良くない。  俺は肖像権が念頭に浮かび、断固、抗議する気になった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!