一年後…

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* 「あぁ、やっぱりここは落ち着くなぁ…」 リビングのソファに腰掛け、瑠威は大きく伸びをした。 「瑠威…どういうことなの? 私…もうなにがなんだか…」 ママがそう言うと、瑠威は、内ポケットから紙切れを取り出し、それをテーブルの上に広げた。 「まぁ!」 それは婚姻届けだった。 瑠威の分はもうすでに記入してあり、保証人の欄には、杉原徹、杉原美佐子という署名があった。 「さっきも言ったけど…やっと、両親にかおりのこと、認めてもらえた。 まぁ、親父は渋々かもしれないけど…とにかく認めてもらえたから。」 「じゃあ、もしかしてこの一年はそのために…?」 「まぁな…以前、かおりの事話した時、親父はまるで聞く耳持たなかったんだ。 だけど、結婚を許してくれたら家業を継ぐって言ったことと、この一年の俺の様子を見て決めるって話になって… 本当に大変だったんだぜ。 朝早くから仕事しながら、一級建築士の勉強もして…」 瑠威は笑いながら話したけど、きっと本当に大変だったんだと思う。 普通の親なら簡単にママみたいな相手との結婚を許すはずがない。 それに、瑠威の家はとっても大きくてお金持ちみたいだったし… 「瑠威…建築って… あなた、まさかあの杉原建設の息子なの?」 瑠威は小さく頷いて笑った。
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