一年後…

4/10

61人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
(杉原建設…?え…?) まさか、テレビでもコマーシャルが流れてるあの杉原建設…? 瑠威はそんなに大きな会社の息子さんだったの!? それにはびっくりしたけれど、瑠威はさらにびっくりするようなことを言い出した。 「急なんだけど、結婚式は三日後だ。 とりあえず、招待客のことはなんとでもなるから、呼びたい人があったら何人でも呼んでくれ。」 「えっ!み、三日後?」 「うん、親父達の気が変わらないうちにやっちまおうぜ。 あ、婚姻届けは明日提出するから、さ、早く書いて。」 「え…う、うん。」 ママは、婚姻届けに必要事項を書き始めた。 「え…っと、私も出席するんだよね?」 「当たり前だろ。 あ!みんなに電話しなきゃ!!」 まだ質問はあったのに、瑠威はスマホを持って電話をかけ始めた。 「あ!オルガ!俺、俺!」 どうやら、電話の相手はオルガさんらしい。 なんだかあわただしいけど、大丈夫なのかなぁ? いろいろと心配はあるけれど、とにかく瑠威は約束通りに帰って来て、ママとも結婚することになって… (良かった…本当に良かった…) 婚姻届けを書くママの姿に、私はじんわりと温かいものを感じた。
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加