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「じゃ、全部デマだったってことですか?」
「そういうこと…
ま、確かに俺は実家に帰って、家業を継ぐことになったけど、残念ながら農業じゃないんだ。
結婚相手も幼馴染じゃない、このかおりだ。
それに、俺はソロデビューなんてしない。
デビューするなら、こいつらと一緒じゃなきゃな。」
メンバーの間から、拍手と歓声がわき上がった。
「じゃ…またシュバルツは復活するんですか!?」
「当たり前じゃないか!」
「で、でも、瑠威…仕事があるんじゃないの?」
「もちろん、仕事と両立する。
他のメンバーだってそうやってるんだ。
俺に出来ないわけないだろ?
そりゃあ、まぁ、今までよりは多少厳しくはなるけどな。」
「またシュバルツのライブが見られるなんて…
わ、私……」
さゆみはまたも大泣きして、周りの人達に気を遣わせる羽目になってしまった。
でも、私も嬉しい…!
またシュバルツのライブが見られるなんて…
あの最高のライブが楽しめるなんて…!
「あ、瑠威…メジャーの話はどうしたの?」
「レコード会社の人には、一年間保留して下さいって頼んだ。
だから、また1からのスタートになるだろうな。
デビュー前からそんなに焦らせるバンドなんて、見放されても仕方ないもんな。」
「でも、あの時は皆の気持ちもまとまらなかったし、これで良かったと思ってるんだ。」
「そういうこと…これからが俺達の本当のスタートなんだ!」
みんなの瞳が宝石みたいにきらきらしていた。
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