61人が本棚に入れています
本棚に追加
「ただいま~…」
チャイムの音と機嫌の良い大きな声で、私は目を覚ました。
「おかえり~!」
ママが出迎える声がした。
ふと柱の時計を見ると、もう二時を回ってた。
深夜だけど、その日のうちに帰ってきたのは、きっとママを気遣ってのことだろう。
いや、気遣ってるわけじゃなくて、愛してるから?
しばらくすると、階段を昇ってくる足音がした。
「望結、起きてる?」
ママの声に、私はゆっくりと身体を起した。
「……何?」
「瑠威がケーキ買って来てくれたんだけど、一緒にどう?」
「ママ…もう二時過ぎてるんだよ…」
「え?でも、明日はお休みでしょう?」
「ママ…そういう問題じゃないから…」
私は、不機嫌な顔で扉を閉めた。
最初のコメントを投稿しよう!