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ロリ好き男とメンチ切りの彼女
「ごめンチカツ」
リビングにやってきた彼女はそう言って、オレの前にメンチカツが5個のった皿を置いた。ケンカのあとのことだった。
「………鍋でも磨いてるのかと思った。」
「なにそれ?」
「昔からよく言うじゃん、夫婦げんかのあと、母ちゃんは黙々と鍋を磨くもんだって。」
「聞いたことないよ!」
彼女は笑った。オレはホッとした。
「何メンチ?」
「キャベツたっぷりメンチ♥️」
「え~、キャベツきらい~」
「そーいうことを言うと!」
彼女はメンチカツにいきなり包丁を突き立てた。
「メンチ切っちゃうよ~」
そう言って、本当にひとつザクッと切った。
断面を見るとジューシーで、キャベツはその肉汁にまみれていた。
「あ、これなら食えそう」
彼女は満足顔で包丁を引っ込めた。
「いただきます。」
「はい、どーぞー」
笑った顔はいい歳なのにロリ顔に見えて、オレは仲直りできてよかったと思った。
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