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「待った?ごめんね」
「もう、遅いんだから」
「ごめん、ごめん、色々仕事が立て込んでて終わらなくてさ、先に行かせた挙句に、待たせて悪かったよ」
「でもなんか忙しそうね。体とか大丈夫?」
「うん。別に体とかは悪くないけど」
「そう、じゃあよかった!」
「ねえ、せっかくだから海に行こうよ」
「そうね。ここから海の景観眺めてるだけでもバッチリだけど、せっかくだもんね、行こう、行こう」
「天気が良くてよかった。完璧なブルースカイ。快晴じゃん」
彼女は海にはしゃぎながら入って行った。
そしてそのまま、得意のクロールで泳ぎ始めた。
僕はしばらく、流れるように泳ぐ彼女を見ていたが、その後、自分も海に入って、ゆっくりと泳ぎ始めた。
青い空、
青い海、
太陽の輝き、
そして彼女の笑顔…
僕には、完璧な午後のひとときだった。
いつまでも、こんな時間が終わりませんように…
そう祈りながら、僕は海の水をふざけてバシャバシャかけてきて笑っている無邪気な彼女に、こっちも思いっきり海の水をバシャバシャと浴びせた。
彼女の笑顔がひたすら眩しくて、もうこれ以上、何もいらなかった…。
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