男爵令嬢は間違いに気付かない

1/3
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「まいったな…情報が足りないわ」 溜息をつく私はリーリア・バイエルン。バイエルン男爵家の令嬢モドキだ 先月まではただの孤児のリーリアだったが父親がバイエルン男爵で私を産んですぐ亡くなった母親は男爵が愛したが親に引き裂かれたメイドだったらしく、私のことを探し当てた父に引き取られたというわけである ついでに言うと、ここは地球ではない。どうやら私はラノベとかで飽和状態だった異世界転生というものをしたらしい しかも、何故か知らないが私の名前やら境遇は所謂前世で友人が勧めてきたゲームの主人公っぽい。父親や義母の名前も一致だ 立場的に絶対義母に虐待を受けると覚悟していたが意外にもテレスティーナお義母様は優しいし、父との関係も悪くないようだ。 成る程、やはり大きな目的の前では下らない柵は水に流すということか。 お義母様は恐らく私に貴族社会に潜入するスキルを身につけさせるための教育係といったところなのだろう。なにしろ私は主人公をやらなきゃいけないようだから そう、このゲームには攻略対象がいるのだ。攻略対象は友人の説明でギリギリ覚えているが私はそのゲームにあまり関心が出なかったので詳しいストーリーなどは知らない。 とりあえず私は卒業までに5人の男子生徒を攻略しなければいけないらしい。しかも有名で高位な貴族の令息と、王子も1人いる 1人でも攻略するとかなり厳戒態勢になりそうなので、できれば全員集まっているところを一回で攻略するのが望ましいだろう なんか今世の私はやたらと美少女ではあるのだが、その手の攻略方法では目撃証言が出まくって足がつく可能性が高く、またそういう行為の最中に反撃でこちらがやられるリスクも高いだろう。 それ以前にそんな三流でビッチで昔ながらのやり方は御免被りたい あと、任務が完了したあとトカゲの尻尾切りで消されるオチは避けたい。まあ主人公だからそこらへんは大丈夫だと思うのだが、国をひっくり返す感じの物語なのかな?
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!