男爵令嬢は間違いに気付かない

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入学して1ヶ月が過ぎた。 いきなり令嬢になったインスタント貴族の私だけど、こんな私でも仲良くしてくれる友だちも出来た。同じ男爵令嬢のエレナ様と子爵令嬢だけど全く気取らないリューネ様だ 最初は協力者か連絡役だと思ったんだけど本当に普通のお友達だ ところで、なんか第1王子と第2王子仲良いらしいんですよね。攻略したら兄は悲しむんじゃなかろうか というか、なんか全体的に平和過ぎる。私の後ろ盾になる組織?は影も形もない そして私は今目先のことで困っている。 新入生歓迎パーティーがあるのだが、どうやらエスコート、つまり護衛が必要らしいのだ。なのに父とお義母様は領地のちょっとしたトラブルで一時的に王都に居ない。 まあ実際に襲撃されるというよりは権威を示す的な物だとは思うんだけど。恐らく王子とか公爵家の子息となれば50人とか付くんだろうなぁ …で。 男爵令嬢に付くエスコートの人数の相場が分からない。 「うっわwあいつ高々男爵令嬢なのに厳重過ぎだろ自意識過剰乙ww」みたいになるのは困るのだ。 …屈強な男を2人ぐらい付けとけばいいのだろうか? あ、女性も居ないと変かも? それからのんびり農作物を作ってる平和なバイエルン男爵領には領主直属の騎士団というものが存在しない。自警団は居るけど自警団でもいいのか? …そして冒険者ギルドに行った私。 受付嬢さんになんとも言えない表情で言葉をにごされてしまった。 やはりエスコートが冒険者なのは非常識なのかもしれない。しまった。 ここ3日ぐらい、私はエスコートどうしよう問題で頭を悩ませていた…そして 「ちょ、ちょっっといいかしらあなた」 なんと! 第2王子の婚約者であらせられる公爵令嬢様に話しかけられてしまった!! このお方は国中の令嬢、いや令嬢にとどまらず女の子の憧れなのだ!!だから第2王子を攻略するの嫌だったんだよ! そして、同じ転生者であった彼女にお茶に誘われ、間違いを訂正された私の顔から火が出たのは言うまでもない。 もちろん本来の物語をなぞって彼女の幸せを壊すような真似は言語道断なので私は分相応な恋人を見つけようと思った。 攻略(無力化)を強行しなくて本当に良かった…あぶねぇ
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