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湯気でしっとり温かい唇同士を合わせる。
初めて触れた悠の唇は想像よりずっと柔らかかった。
そっと触れるだけのキスから少しずつ動きが生まれる。ろくにキスの経験がない俺は、ガチガチの状態で悠を受け止めていた。
そんな俺の様子を見て悠が一度唇を離す。
そのまま俺の顔を覗き込んで、甘く笑った。
「無理しなくて良いから。俺に合わせて」
その優しい瞳に安心して、俺は肩の力を抜くことができた。俺が落ち着いたのを察した悠は、もう一度唇に触れてくる。
俺の唇が、悠の唇に優しく食まれる。フワフワと包まれる感触が気持ち良くて、俺も気がつくと悠の唇を食んでいた。
そんな俺の行動を見て悠は嬉しそうに目を細めた。
無我夢中でお互いの唇を食み合う。
次第にお互いの唇の境界線が分からなくなるほど溶け合ってきた。
その流れで、自然に悠が俺の唇を舐める。
唇とは違う生々しい感触に、俺の肩がビクっと震える。すると即座に悠が俺の背中を優しく撫でた。
大丈夫、悠はもう、俺に酷いことをしない。
きっと気持ちいいことしかしない。
委ねよう。
そう思って俺はおずおずと口を少しだけ開いた。
それに気づいた悠は、俺が怯えないようにゆっくりと舌を口内に滑り込ませてきた。
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