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誰かと舌を合わせるなんて、考えたこともなかった。とんでもなく恥ずかしいことをしていると脳内で理解していても、やめられなかった。
悠の激しく、そして的確に快楽を突いてくるようなその舌づかいに翻弄される。
きもちよすぎる。
理性がトロンと溶けていくのがわかった。
…もっと、きもちよくなりたい。
回らなくなりつつある脳内で、そんな考えが浮かぶ。
すると俺は自然に悠の舌に絡みつき返していた。
悠は少し驚いた顔をしたが、すぐに俺の動きに応える。
グチュグチュと唾液が混ざる音が脳内に響く。
その音に恥ずかしくなると同時に、興奮する自分がいた。
悠が唾液を俺の口内に流し込む。
普段の俺ならかなり嫌悪感を抱くだろう。
だが理性が溶けきった俺は、躊躇うことなく悠の唾液を受け入れ飲み込んだ。
俺の喉がゴクリと動くのを見て、悠が嬉しそうな顔をする。
その表情を見て俺も悠の口内に唾液を流し込んだ。勿論悠も躊躇うことなく飲み込む。
飲み込んでくれたことが嬉しくて、俺は唇を離して無意識に「ふふ…」と笑った。
そんな笑った俺の顔を見て、悠の顔が一瞬無表情になる。
その後何かを堪えるような顔をして、歪んだ雄臭い笑みを浮かべた。
「…っクソ、無自覚かよ」
ポツリとこぼした悠の呟きはよく聞こえなかったが、悠はそのまま再び噛みつくように俺にキスをした。
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