自覚

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悠と約束した日から、俺たちは公園で待ち合わせし走りだした。公園といっても面積がかなり大きい総合公園みたいなところだ。木が林のように生え、ランニングコースがきれいに整備されている。 今日も悠と約束した日だ。ランニングウェアに着替えて公園に行った。俺がついた少し後に悠がくる。 悠によく似合う、すっきりとしたスタイリッシュなウェアだった。 「お待たせ。じゃあ行こうか」 「おう」 最初はウォーミングアップでかるく、次第にペースを上げて。1人で走るよりやっぱり楽しい。 相手も悠だから張り合いがある。 卒業してか少し時間が経つが、体が鈍った感じはあまりない。体を動かすとやはり気持ちが良かった。 今日もクタクタになるまで走った。 「っはー…疲れた」 「おつかれ颯人。俺も今日のは結構キたな」 「わかる。シャワー浴びたい」 「じゃあ、今日もうち来る?」 「…いく」 走り終わった後、悠の家に行って遊ぶのが恒例になっていた。シャワーも貸してもらって申し訳ない。 電車に乗って悠のマンションに行く。大学生の一人暮らしにしては良いマンションに住んでいる。できたばかりの綺麗なマンションだ。 「おじゃまします」 「どうぞ、先シャワー使って」 「ごめん、ありがとう」 悠のマンションはとにかく居心地がいいのだ。申し訳ないから毎回手土産を軽く渡しているのだが、「一人暮らしだし、俺も颯人が来てくれて嬉しい」と言われてしまう。
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