2399人が本棚に入れています
本棚に追加
家に帰ると、既に雅樹が晩ご飯を食べていた。相当げっそりとした顔をしている。
「お帰り」
元気のない声で俺に言った。冷凍のチャーハンをモソモソと食べており、とても美味しそうには見えない。
「…なんか、すごく疲れてるな。大丈夫か?」
「んー、いま色々部活がめんどくさいことになっててさ」
「それってどんな?」
「部活の引き継ぎっていうか…、仕事分担というか…。役員決めが上手くいっていないというか…」
役員決め…か。
確かにもめることではある。とくに雅樹のような強豪で、部員も多い部活だと尚更だ。仕事も多いし、強豪を率いるリーダーシップが求められる。
「三年生は夏に引退するのに、その時に引き継ぎはしなかったのか?」
「うちの部活はちょっと変でさ。三年生卒業の時期に本格的に引き継ぎとかするんだ」
「ふーん」
「特に…マネージャーとかね。けっこうやること多いから誰もやりたがらなくて」
マネージャーか。うちの部活の場合、部員で全て仕事は回していたからマネージャーがいなかった。けど雅樹の部活は事情が違うのだろう。
「もー、ほんとに参るよ。マネージャーがいないと殆ど回らない仕組みになってるから、このままだとマジで不味い…」
「マネージャーやってくれる人がいたら取り敢えず大丈夫なのか?」
「まあ取り敢えずのところは…。でもいないんだよな」
俺も雅樹と同じ学校だったら紹介してやれるんだけどな。
雅樹のマネージャー問題に解決の目処は立つのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!