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そう言って俺を見つめる悠の瞳は真剣だった。
だが俺の頭は混乱している。
ダカセテ?
だかせて?
抱かせて?
しばらく脳内で悠の言葉がリフレインし、ようやく漢字に変換できた。理解した途端、顔が更にカッと熱くなる。
「だ、抱くって…。悠は俺の身体なんかで興奮するのか?」
「今更だよ。確認する?」
悠は色気いっぱいに微笑んだ。
男同士って…後ろ使うんだよな?ってか悠のが入るのだろうか。好奇心よりも今のところ恐怖が勝ってしまう。
俺のそんな様子に気づいたのか、悠はクスリと笑った。
「いいよ、今すぐは期待してない。でもね、近々抱かせてね。次に機会があったら、その時は抱くから」
譲歩しているように見せかけて、かなり強引な物言いだ。さっき自分で性欲が強いって言ってたし、結局俺は抱かれるのだろう。ってか俺が抱かれる側なのは決定か。
でも不快感は全くなかった。それどころか想像してしまうと気恥ずかしさがある。
「わかった…その時は、俺を抱いて?」
「もちろん、何回でも愛させて」
悠に耳元でそっと囁かれる。心地よい低音が鼓膜に振動した。
その艶っぽい声に、お腹の下の方がキュンとする。抱かれることを想像してしまった。
改めて悠のハイスペックさを意識する。もしかしたら俺はとんでもない男を捕まえてしまったのかもしれない。
俺は悠の隣に相応しい人間なのだろうか。悠が他の人に目移りしてしまったら?
でも悠を好きという気持ちは消せなかった。
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