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遊園地デート当日。
昨日は楽しみすぎてほとんど寝られなかった。遠足前の小学生じゃあるまいし。おかげで目はギンギンだがテンションがカバーしてくれるだろう。
今日のための洋服だって数日前に新調したものだ。クローゼットの服を漁ってベッドに並べてみたが、納得いくコーディネートがなかなか決まらず、結局買いに行ったのだ。
もしかして俺って重いのかな?
たまに不安になる。
だがそんな不安をかき消すように、デート当日は満点の青空だった。待ち合わせの場所に、五分だけ遅れて悠がやってくる。
「ごめんね、お待たせ!まった?」
「全然、待ってない!早く行こ!」
うわ、このやりとりなんだか凄く恋人っぽくないか?ぽいよな?
それにしても今日の悠もカッコいい。
シンプルな服装をラフに着こなして、それでいて華やかさもある。きっと俺が着ても地味なだけでパッとしないだろう。素材が華やかだからこんなに着こなせる。
ボーッと悠に見惚れていると、悠とパチリと目が合った。やばい、まじまじと見つめてたのがバレてた?
だが悠は目を蕩けさせて笑った。
「今日の颯人、凄くその服似合ってる。見惚れちゃった」
「そ、そうか⁉︎カッコいい?」
「どっちかというと可愛い、かな。何着ても素敵だけどね」
「うっ…」
「俺のためだけに、こんな可愛い格好をしてきたかと思うと凄く興奮する」
だめだ、こいつは…。
変態だけど許してしまう。
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