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「ここは中高一貫校で内部進学生が多い。つまり六年間男に囲まれた閉鎖空間で過ごすことになる」
「それで?」
「簡単に言うと溜まりに溜まった性欲が男に向くんだ」
へ?
「ふふ、蒼井、ぽかんって顔してるね」
「無理もない。外部の人間にとっては理解できない異常な空間だろう。だが恐ろしいことにここにいるとそれが当たり前になってしまう」
「ふ、ふーん」
噂には聞いていたけどそういうことって本当にあるんだ…。雅樹ももしかしてそうなのか?
「そこで問題なのが暴行被害だ」
「暴行被害ってまさか…」
「そのまさかなんだよねー。可愛い子とかがレイプされたり、未遂だったり、毎年数件起こってる」
氷室がため息をつきながら話した。
「それって大問題じゃん」
「そう、大問題なの。だから言ったでしょ、ここは怖い所だよって」
「雅樹が君をこの高校に来させたくなかった理由がわかったか?」
「いやでもそれって顔がいいやつだけで、俺に限ってそんなことはないだろ」
俺がそう言うと二人は呆れた顔をした。
「これは弟くんに同情するよ」
「雅樹も大変だな」
なんか馬鹿にされた気がする…?
だがこの高校が想像以上に危ないことだということは分かった。
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